2001トランスパックレース(ロサンゼルス〜ハワイ 約2.250マイル)に参加。

●フリーで快調に走るベンガル

●表彰式
*Division 3     総合3位
*Foreign Yacht 1位
*Farthest North   Pacific High Trophy 受賞

ロサンゼルスをスタートし、9日と13時間20分でハワイ ダイヤモンドヘッド沖にフィニシュしました。 邨瀬オーナーはじめ9名で挑んだこのレースは、長い歴史を持ちロングレースセーラーならば憧れのレースです。 自力回航、レースエントリー、滞在先、艇・デッキレイアウトの改造、整備等、レース参加に私たちショアーセイルスタッフが憧れのレース参加にお手伝いできた事を誇りに思い感謝しております。

このレースに参加するにあたって幾つかの改良と追加の備品を搭載しました。

1. インマルサットミニ(衛星電話)を用いてE−MAILの使用を可能にし、コンピューターはバックアップも考え2台積み込みトラブルに対応。近年のヨットレースにおいて、メール通信を活用し気象情報やレース中の状況など陸上クルーとのやり取りが必要不可欠となっています。勿論、安全確保にも大きく貢献していることは言うまでもありません。気象情報は、パールレースなどで気象情報を提供していただいている 葛C象海洋コンサルタント 馬場様に依頼をし、回航からレースまでサポートしていただきました。こちらからは主に気象状況などを発信して回航の安全を図り、Bengalからは毎日の出来事やこちらから送った気象情報の信頼性などの確認を交互に交信しました。気象情報は素晴らしい信頼性を持ち、太平洋横断クルーにとって安全で楽しい航海を約束してくれました。レース中の気象情報の入手はルールによって規制されていますので、先6日分の気象情報をスタート前に入手、後は気象FAXからの天気図と合わせてコース選択をする方法をとりました。

2. スピンポールの長さ(SPL)を約1m長くし、そのSPLに対応するショアーランニングスピンとスピンステイスルを新たに用意しました。パワフルでトリムし易くデザインされたショアーランニングスピンから生み出されたスピードはデビジョンVの他艇を圧倒し、トランスパック公式記録デイラン271マイルを記録しました。

3. 造水機を積むことによって、飲料水の量を約200L抑える事ができセーリング重量削減に成功。造水機でできる水はまったく問題ない味でした。

レース内容

 スタート後、セントカタリナ島をポートに見て回航しラムラインより大きく南下してトレードウインドを掴み、コース中央からラムラインに戻す感じでハワイ モロカイチャンネルを通過しダイヤモンドヘッド沖フィニッシュというのがセオリーです。 ベンガルはそのセオリーをまったく無視し、セントカタリナ島を回航しラムライン:大圏コース(ラムラインより少し北に膨らむ)近くを平行したコースを選択しました。気象情報からスタート後2〜3日間は、南側の風が非常に弱く5〜10ノットでトレードウインドを掴むには時間がかかる事、ラムライン上にはウインドディレクション320°〜350°で風速15〜20ノットの風が吹いている事、3〜4日後にはウインドディレクションが350°から60°に変わる事、6日後にはウインドディレクションが90°に変わり風速20〜25ノットになる事などの情報を考慮した上でベンガルが最も得意とするリーチングで艇速を稼ぎウインドディレクションの変化でランニングスピンホイスト、スピンステースルホイストできる最短距離北上コースを選択しました。 コース選択は的中し、4日目にはデビジョンVでトップに立ち2位に大きくリードすることに成功しました。このリードを保ったまま9日と13時間20分でハワイ ダイヤモンドヘッド沖にフィニシュしました。夜中のフィニッシュとなりましたが、大勢のレース関係者による盛大なパーティーとクルーの家族の出迎えで幕を閉じました。

  上の写真は、風速20〜25ノットの風の中を、キュウブンファイバーメインセイル、スパイダーランニングスピン、ファーリングスピンステイスルでのセーリング写真です。キュウブンファイバー はケブラーのセイルに比べて約50〜70%軽く作ることが可能で、ケブラーセイルに比べ4倍以上も耐久性に優れる特徴を持っています。 ‘95年メルボルン〜大阪ダブルハンドレース用に製作したケブラーメインセイルウエイトは49Kgでしたが、 キュウブンファイバーメインセイル では、なんと23Kgという脅威の軽さで製作できました。この キュウブンファイバーメインセイル はすでに約3,000マイルをセーリングしていますが、シェイプのひずみも少なく絶好のコンディションを保っています。 次回のサンフランシスコ〜ハワイのレースに同じ キュウブンファイバーメインセイル で参加予定です。キュウブンファイバーセイル を1枚持てば、いったい何枚分のセイルを持ったことになるでしょうか? セイルウエイトが軽くなればレースで、特に軽風のアドバンテージも大きく、ハンドリングもより楽になります。そして、キュウブンファイバー の耐久性を考慮すれば最高のマテリアルだと思いませんか?

キュウブンファイバー は、BOC世界一周レース、The Race カタマラン世界一周レース、アメリカズカップなどの限界に挑むレースに多数使用されています。

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